明日を考える経営

- 経営者・幹部へのアドバイス No.7 -

中小企業だからこそできる新商品開発

 零細企業・中小企業こそ、発明の温床である。
「中小企業だからこそできる」研究開発、製品・商品企画開発がある。
問題、課題だらけの中、なんとか現状より脱出したい気持ちが大事だ。
それがバネになって創意が生まれる。
小規模の会社は、社長や役員のアイデア(発想)が発展充実の基(もとい)になったケースが多い。

 「曲がるストロー」は、喫茶店、子供や病人の使用に大変便利である。
直線のストローより、上部を自由に折り曲げて使える便利さは代え難いものだ。
そして、曲がるストロー製造機は世界各国に輸出され、曲がるストローの需要に応えた。

この発明者は日本ストロー(株)を起こした坂田多賀夫氏
彼は若い時、独立した坂田機械研究所の看板を掲げ、1年半かけて「自動炭俵編み機」を完成した。
スポンサーも「これは絶対売れる」と太鼓判を押しましたが、なんと1台も売れなかった。
冬場の農家の夜なべ仕事を取り上げるようなものはいらないということだった。
 「発明に成功しても、事業的には成り立たぬ、という失敗」
と言われる大きな教訓を坂田多賀夫社長は得た。

 事業とはお客様(顧客)を得て、初めて成り立つ。
P.F.ドラッカーはこの事を「顧客の創造」と言った。
また、彼は企業の目的を「イノベーション(革新)」と喝破し、製品や商品、また技術におけるイノベーションを説いた。

 このイノベーションとは、2つのものを1つに合わせることによる革新的製品を言う。
先の事例の「曲がるストロー」は、従来からあるストローにジャバラを加えたアイデアである。
この発明には新しい樹脂材の活用も効を奏した。
あとは製造の工夫である。

このイノベーションこそ「中小企業だからこそできる」のではないだろうか。
(2004.3.15 長谷川好宏)
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中小企業診断士 長谷川 好宏