「5Sのすすめ(2)」
4S プラス 心
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株式会社ウイズダムマネジメント 中小企業診断士 長谷川好宏 |
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生ま性の高いデータほど、人の心を動かすのです。 F社で新任の製造部長が現場で4Sが不充分な箇所を見つけて写真を撮り、その中から5枚を選んで、左下図のように掲示板の隅にピン留めしておきました。 |
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「どこの場所」とか、「整理せよ」と書いたわけでもないのに、2〜3日もすると、写真で示した箇所が実にきれいに整理整頓され、チリひとつありませんでした。 |
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- F社の彼はソニー厚木工場長で著名になった故小林茂氏から「事実こそ神である」ということを学んでいました。
生まデータをチームで集めただけで、対策を立てなかったのに、チームの内に改善が起こったことを体験させられていたのです。
この事例のように、5S(4Sプラス心)では生まデータを集めることから始めてください。
「こんな所に○○が置かれたままになっている」
「○○工具をいつも探さねばならない」
「○○機は精度が落ちてきた」
などです。
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定点撮影法はこれから5Sに取り組む企業でも導入が容易にできます。 同じ位置から同じ高さ、同じ方向に、同じ対象物に対して、同じカメラで撮影するのです。
毎月このように撮影して、4Sの進行状況を時系列的にわかるようにします。 写真は所定の台紙に貼り付けて掲示します。 この方法は元ヤマハ発動機取締役・杉山友男氏が考案されたものです。
ポイントは生まデータとして、ある機械とか汚れた箇所、ガラクタ置場など恥ずかしい所を選びます。
通常4段階まで撮影し、台紙に貼ります。段々と改善されていく様子が毎月、 写真に残りますので、みんなで評価して達成感を味わうことができます。 |
- 経営のトップが5Sの意義と儲かる5Sの推進を宣言します。そして、3〜6名のチームを編成し、各チームは自主性と創造的な活動をするために、想いを込めた名称をつけます。つまらない、下品な名称をつけるチームも時にはいますので、キックオフ時に、チーム名称を経営トップと社員で表彰するようにするとチーム名を安易につけることを防ぎ引き締まります。しかし、あくまで各チームの自主活動として一定時間を与えます。
- 定点撮影法では、テーマを決めて目標を明確にします。各チームは対象物を4〜5点選びます。毎月1回、各チームによる進行状況の発表会をもちます。これが刺激し合って好ましい形になります。写真を貼った台紙は各チーム毎に社員がよく見る所に貼り出します。
進行状況は写真で時系列に示す
- 定点撮影はチームに目標を明確にする効果があります。対象は生まデータから最も問題点であるモノ、コトを改善することにつながるのです。汚れた機械、未整理未整頓の工場であっても新設の時はまっさらであったはずです。
- 「4S+心」の運動は、社員に高い視点(ムダ取り)からモノや事象を見る力を養います。つまり、社員のレベルが向上し、その発想の活性化は経営に「顧客満足」や「ローコスト」、「経営品質向上」等の利益をもたらしてくれます。
- 「5S運動」と掲示されている工場も多いので、状況を聞きますと、「マンネリになっています」とか、
「ネタ切れです」と答えが返ってくることがあります。
これはリーダーが5Sを頭で理解し、頭で技法の押しつけをするからです。
「定点撮影法」と言うと、1字1句これにこだわりが生じたりします。
技法通り、形式通りにすることが目的ではなく、前で述べたように「ムダ取り」が目標なのです。
まず、「みんなとともに」「みんなと力を合わせて」ということを強調し、チームを信頼して面倒な細かいことは言わないことです。
それより、4Sのプロセス活動をみんなで行い、「得られる達成感」こそが人として生きることの価値なのです。 チームがチームワークによって、成長し活動のプロセスを楽しむことがポイントです。
上司が「チーム発想をせよ」とゲキを飛ばすことは害あって益なしです。
- 「チームワークはチームワークすることによって高まる」と言うのが故小林茂氏の発見です。 チームワークを管理しないで、チームを「夢中にする」プロセスでの事実の発見の感動と達成感を味わうことが持続の原動力です。
また、チームが組織全体の活性化を起こします。この実験をぜひとも、ご自分の会社で行い、「儲かる5S」の成果を最終結果として得てください。
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- 現場リーダーに求められる資質と役割を明確にします
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