|
||||||
- 経営者・幹部へのアドバイス No.23 - | ||||||
利益を拡大できる業務改善 |
||||||
1.業務改善が経営課題 | ||||||
景気が安定的に回復している期、企業はより顧客ニーズに応えて生産強化、品質精度の向上、新製品の開発に躍起になっています。 しかし、グローバル化はより進展し、商品単価は素材関連を除いて低く抑えられたままです。 ところが、経営効率を測定するとハードの生産性は高いのですが、ソフトの効率は低いのです。ソフトとはホワイトカラーの仕事に象徴される「業務」です。生産とは対になる仕事です。企業の営業と生産を支えるのは業務活動です。サプライチェーンの視点で見ますと製品の流通を担う卸売業(問屋)は企業活動全体が「業務」と呼んでよいくらいです。 現代は個人プレイではなく、組織としての効果性、効率性が求められる時代となり、優れた仕組みづくりが企業の優劣を決定するのです。 業務の仕事はホワイトカラーの仕事です。今や全仕事の中でブルーカラーの作業は20〜30%、ホワイトカラーの仕事が70〜80%を占めるにいたっています。
|
||||||
2.ホワイトカラーの生産性向上 | ||||||
マネジメントの開祖であるP.F.ドラッカーは2005年11月に天に召されましたが、論文の中で「21世紀に伸びる国はホワイトカラーの生産性を高めた国だ」と書きました。 ブルーカラーの生産性は日本がアメリカをしのいでいますが、ホワイトカラーの仕事はアメリカがITを駆使して日本の数倍の生産性になっていると推定されます。日本はホワイトカラーの仕事を「業務改善」によって生産性を飛躍的に高めねば市場競争に敗退してしまいます。
|
||||||
3.業務の現状把握 | ||||||
業務改善は自社の現状把握から始めます。このためには、業務の処理毎に例えば「受注業務」「出荷業務」「購買業務」というように、現状業務のフローチャートを書くのです。なぜ、業務のフローチャートを書くのかと言えば、それは業務の「見える化」を図るためです。 克明に業務フローチャートを書くことで、今まで気づかなかったことが見えてくるのです。フローチャートをながめると、ムダも気づかされます。
|
||||||
4.見える化をはかる | ||||||
日常業務が組織によってなされるというより、各個人の任せきりで行われています。個人のペース、やり方にムダもスピードも隠れてしまっています。業務の「見える化」をはかることが先決です。 各部・各課・係ごとにどんな業務(仕事)をしているのか、すべて書き出します。いつ、誰が、どのように、どこで、何をしているのか、自問自答し、明らかにします。業務を目で見てわかるように書き出して壁に掲示します。業務をデイリーの仕事、週の仕事、月の仕事に分けて書き出します。 |
||||||
5.業務の時間測定をする | ||||||
自分で業務について、仕事を朝から終業まで記録表に2週間位、記録を取ります。この業務処理記録表から集計して分析してみると約20%はやらなくてもよいムダな仕事があると気づかされます。
|
||||||
6.定員管理をする | ||||||
全部署の業務の現状把握ができると「業務処理管理表」に記入します。これにより、各部署の定員管理にも役立てることができます。
|
||||||
7.業務改善は人が主体です | ||||||
会社の中の総務担当者が業務改善をするのではなく、組織の全員が主体的に自らの意思で、仕事の中に潜むムダを無くそうと取り組むことが大切です。自分の仕事のやり方を見直し、組織として業務改善の仕組みづくりをすることがムダを削減し、遺失利益を取り戻すことができます。
あなたの会社では、業務改善をチームワークで取り組んでいますか? |
||||||
(2006.11.5 長谷川好宏) | ||||||
|
||||||
|
(C) Copyright Wisdom Management HASEGAWA yoshihiro All rights Reserved
株式会社ウイズダムマネジメント
中小企業診断士 長谷川 好宏