経営トップは、「社員は仕事の中で自然に成長していくものだ」と考えてはならない。社員が仕事をする中で、節目節目で自己成長へのきっかけ、自己成長に向けての動機づけをうながす必要があります。
例えば、入社式では
経営トップ: 新入社員がこれから我が社に入って能力を発揮してもらいたいと願っています。
新入社員: 「この会社で仕事をやるぞ。」と自己動機づけを持っています。
企業は、この新入社員の決意とわき起こっているエネルギーを上手に活用できているでしょうか。
新入社員研修によって、仕事と人生の両面で目標を設定させることができれば、本人にとっても会社にとっても大きな収穫に結びつきます。少々業績が低迷していても、新入社員研修を省略してはならないのです。
一般社員に対しては、5年〜10年の範囲で、仕事に埋没している社員に研修をおこない、自己成長へのエネルギーを引き出す支援が必要です。18歳・20歳で入社した社員は、10年立てば、28歳〜32歳の年齢になっており、新たな動機付けが必要です。
中小企業・中堅企業より、このような
動気付になる研修を依頼されるのですが、研修のポイントは、「主体性、コミュニケーション、チームワーク」の3つです。職場がより活性化とゴールを目指すのはチームワークができたときです。
そのためには、社員は組織にぶら下がるのでなく、積極的に前向きに仕事に向かう対応能力が求められます。依頼体質から抜け出し、主体的になると自然に社内にコミュニケーションが活発になり、ひとり一人に自信が付いてくるのです。この動機づけを行うのが節目研修です。
「今のまま仕事をやっていると組織の中で死んでしまうぞ。」と自ら脱皮して自己成長に向けて方向性を明確に持て!と。意識革新です。
管理者に対しては、研修もせずに放任しておくと、必ずモチベーションが下がり、自己成長の努力を怠り、組織や上司の批判が多くなってきます。これらを振り払うために、ある経営者から
管理者研修を依頼されました。その時に、経営者から「この研修は私から彼らへの感謝でもあり、下駄を預けるのです。」と言われたのを覚えています。さらに、「この管理者研修を跳び箱の踏み台にして、もう一段、上の目標にステップアップして欲しいのだ。」と言われました。
その管理者研修では、「リーダーシップ」と「自部署の後継者の育成」がキーワードでした。管理者こそ、自分の部下から継承者を選び、育成し、自己の席を譲っていく使命観を持ち、心の広さ・姿勢を示していかねばならないのです。
リーダーシップについても、自分らしさの発揮こそ大事であって人マネでは形成できません。管理者であれば自己理解によって、自分の本質にあったリーダー、部下にとって魅力あるリーダーになれます。その動機づけが管理者研修です。
このことを管理者研修を通してうながすのが経営トップの忘れてはならない役割のひとつなのです。
(2012.12.25 長谷川 好宏)